X1turboZII

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私は、1987年からシャープの8ビットパソコンを愛用してきました。
2000年からメインPCはWindowsに移行しましたが、
いつまでも使える状態にしておきたいと考えています。

そんなX1シリーズとの関わりを紹介します。

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出会い
再会
特徴
新調
追加購入
追加購入2
究極
拡張
ゲーム機
写真印刷
再拡張
 
 
 
サークル
画像
新環境
ワープロ
通信
 
 
パックマン
ハードディスク
処分品
非常事態
情報誌
 
 
T&T
ディスプレイ修理
復活
イメージ化
 
 
 


< 出会い >

私が初めてX1を目にしたのは、高校1年生の頃でした。

級友が当時は個人所有が珍しかったNECのPC-8001を持っていて、
彼の家に遊びに行った際に、カセットからデータを読み込み、
トランプマークのパックマンが動いている事に非常に感動させられたのです。

これを見て、とにかくパソコンが欲しくなり、
取りあえず「マイコン」というパソコン雑誌を購入してみました。

その雑誌の広告ページに掲載されていたのが、赤いボディの初代X1でした。

友人のPC8001よりも明らかに洗練されたデザインに、
まさに一目惚れしてしまいました。

PCGによるキャラクタグラフィック、PSGによる三重和音、
本体に内蔵されたデータレコーダ、何よりもTVとしても使えるディスプレイと、
PC-8001とは全く次元が異なる魅力に溢れていました。

しかしながら、学生の身にフルセット26万8千円は遠い存在でした。
そうして手が届かない物と、いつの間にか忘れてしまっていたのです。

< 再会 >

それから5年後、大学3年の終わりに再会の機会がやってきました。

寮の先輩が卒業に当たってFUJITSUのFM-7を格安で売りに出していたのです。

結局そのFM-7は同期の友人が買ったのですが、それを見たのがキッカケで、
今なら幾らで買えるのかなぁと思い、「I/O」というパソコン雑誌を購入してみました。

個人売買欄を見て驚いたのは、その相場の安さでした。

世の中にはPC9800シリーズという16ビットパソコンが登場しており、
旧式の8ビットパソコンは数万円で取引されていたのです。

5年の間にX1には様々なモデルが発表されていました。
本体とキーボードが一体のX1cシリーズ、
ディスクドライブを備えたX1D、X1F、X1G、
そして、高解像度に対応したX1turboシリーズです。

その後もチェックし続けた結果、貧乏学生の予算で買えそうなモデルという事で、
初代X1からX1c程度までに目星を付けて物色していたのですが、
運よくX1turboModel10、外付けFDD、ディスプレイをセットで購入することができました。

< 特徴 >

X1turboModel10というのは、初代X1と同様にデータレコーダを内蔵したモデルです。

最近の初心者向けパソコンはFDDさえ内蔵しない様ですが、
X1登場の頃は内蔵データレコーダが非常に格好良く見えたものです。

特に、X1のデータレコーダは高速かつキーボードでも操作することができる優れもので、
カセットテープ内のファイル名一覧や特定ファイルの頭出しも容易にできました。

外付けFDDは、CZ-800Fという初期のX1用の外付け2Dディスクドライブです。

一般的な5インチドライブはレバーでディスクを出し入れしましたが、
このドライブはプッシュオープンするカバーに連動してディスクが出てくる画期的な仕様でした。

ドライブに埃が侵入するのも防げますし、
何故このオープン機構が一般化しなかったのかは謎です。

初めて購入したX1用市販ソフトのデジタルデビルストーリー女神転生が、
何故かこのドライブでは起動しなかったためにショックを受けたりもしましたが、
カセットに比べて格段に速いシステム起動で十分に活躍してくれました。

初めてディスクのフォーマットという概念を学んだのもこのドライブです。

ドライブ付属のCZ-8FB01はX1用のディスクBASICで、
本体付属のX1turbo用カセットBASICのCZ-8CB02よりも基本機能が劣るため、
起動速度と機能が両立できないジレンマに悔しい思いをしたものです。

ディスプレイは型番を忘れてしまいましたが、X1専用ディスプレイTVではなく、
200ラインの単なるデジタルRGB14インチモニタでした。

X1の最大の"売り"はTVが見られることとスーパーインポーズ表示、
加えてX1turboの"売り"は高解像度(400ライン)対応、なのですが、
これらの"売り"がこのディスプレイでは悉く実現不能で非常に残念でした。

また、赤い本体、シルバーのディスクドライブ、グレーのディスプレイと、
バラバラのカラーリングは昔あこがれたX1の印象とは若干ズレがありました。

という訳で、価格相応に不十分な点も多々ありましたが、
このX1turboModel10と5インチFDDの組み合わせは、
パソコン初心者の私に非常に多くのことを学ばせてくれました。

ちなみに、私が最初にX1turboのBASICで作った作品は、
ファミコンソフト、初代ドラゴンクエストのタイトル画面とオープニングミュージックでした。

タイトル画面は、LINE文、PAINT文、DATA文の集合体で、
ミュージックは耳コピーしてPSGの三重和音で作りました。

X1turboの描画性能は高速とは言え、LINEやPAINTでは描画の軌跡が見えるので、
SCREENコマンドで裏画面を表示しておき、画面切り替えをすることで、
一瞬で表示されるように工夫しました。

また、INPUT$文と条件分岐を使って、
カーソルキーでSTARTやCONTINUEの矢印を移動できるようにしたので、
初めて見た友人にはけっこうインパクトが強かった様です。

X1turboModel10は大学の卒業時に後輩に譲ってしまいましたが、
このときに初作品のPSGデータをバックアップしたつもりで、
そのディスクを忘れてきてしまった事が今でも悔やまれます。

< 新調 >

就職後に念願のX1turboZを購入できました。

本当はX1turboZIIが欲しかったのですが、すでに市場からは姿を消しており、
購入できたのはその廉価版のX1turboZIIIでした。

かつて夢に見た、TV表示、スーパーインポーズ、高解像度表示、FM音源再生が実現し、
非常に嬉しかった反面、X1turboZIIIであるが故の不満もありました。

外付けドライブが増設できない。
データレコーダが増設できない。
動かないソフトがある。

これらを克服するために、とある方向に進んでしまうのですが、それについては後述します。

X1turboZIIIと専用ディスプレイTVの組み合わせは、
かつてのX1turbo10&RGBモニタの組み合わせでは考えられなかった機能があります。

今時のパソコンでは当たり前のTVキャプチャ機能です。

もちろん、HDDを搭載していないメモリ128キロバイトの8ビットパソコンですから、
キャプチャ映像はビデオメモリを素通りで、取り込んで保存できるのは静止画だけでした。

とは言え、ビデオから静止画を取り込んでカラー印刷できるという環境が実現していたのです。

X1turboZの存在を知らずに国民機と称する某16ビット機を使用していた方には、
8ビットパソコンが標準装備でTV画像をキャプチャしている様を見せたかったものです。

2HDディスクが使用できることも従来機からの大きなアドバンテージでした。
ディスク1枚に4096色の写真が約10枚保存できるのです。

OSはCZ-8FB02とCZ-8FB03が2HDに対応しており、通常のBASICプログラム作成はFB02で、
4096色の写真を扱う場合はFB03で、という使い分けをしておりました。

もっとも、雑誌掲載などのX1用ユーティリティのほとんどはCZ-8FB01用でしたので、
入力は2HDディスクのFB02上で行ない、実行は2Dディスク上のFB01というケースが多かったです。

< 追加購入 >

X1turboZIIIの購入により、かつてX1turboModel10とCZ-800Fの組み合わせでは
動かなかったソフトが動くようになったのですが、
色々なソフトを揃えていくうちに、逆にX1turboZIIIでは動かないソフトも出てきました。

また、雑誌に掲載されているBASICプログラムのなかには、
少ないながらNEW-BASIC対応というソフトも存在していたのです。

NEW-BASICというのは、CZ-8FB01のVer.2.0で、
非turboのX1シリーズで漢字を表示できる他、幾つかの機能が追加されたBASICです。

X1turboZIIIに付属しているCZ-8FB01はVer1.0だったため、
NEW-BASICが欲しければ、後期のX1シリーズを入手する必要がありました。

とは言え、NEW-BASICだけのためにX1シリーズを購入するのは贅沢だと思っていましたが、
秋葉原のT-ZONEで私を狙ったようなモデルが安売りされていたのです。

それは、PCエンジンのHuCARDゲームも遊べるX1twinです。

これが、X1FやX1Gならば言い訳が立たずに買わなかったと思うのですが、
当時、X68000でしか遊べなかったR-TYPEがX1で遊べるのなら1石2鳥じゃないですか。

早速、クレジットカードで購入してバイクの後ろに積んで帰ってきてしまいました。

X1twinは標準構成がシングルドライブだったので、
X1twin専用2DドライブのCZ-53Fを増設してダブルドライブにしましたが、
実際のところは期待のNEW-BASICはそっちのけで、
PCエンジンのゲームを買い漁って遊んでいました。

なにはともあれ、X1turboZIIIでは動かなかったヨトゥーンは動作確認できましたが、
データレコーダの増設に関してはX1twinも対応していなかったのです。

< 追加購入2 >

X1turboModel10を使用していた頃には、カセット版のゲームも多数所有しており、
そのほとんどはメモリバックアップでディスクに取り込んでありました。

この場合、ゲーム自体はオンメモリなのでディスクから起動できますが、
ゲームデータのセーブはカセットに行なわれます。

こうしたゲーム途中のデータがたくさんありましたので、
データレコーダはどうしても増設したい周辺機器のひとつでした。

X1turboZIIIと同様、X1twinにも増設ポートが付いていなかったことから、
安価な旧機種を探していて雑誌の個人売買で購入したのが、
内部仕様がX1turboModel30とほとんど同じX1turboIIIです。

このマシンは、当時外付けドライブしか無かった2HDドライブが標準搭載された上、
本体ケースが後のX1turboZシリーズにも採用されたデザインということで、
飛び付いたユーザーもたくさんいたと思われます。

しかし、数ヶ月後に本体仕様も新しくなったX1turboZが同じ価格で発売されたため、
不満の標的となったであろう、悲しい経緯があります。

私にとっては、2HDドライブが使えて増設ポートがある狙い通りのマシンでした。

その後、予定通りデータレコーダを増設しようと各所を探したのですが、
なかなか見つからない上に見つかっても非常に高価だったため、
学生の頃に同じ寮にてX1turboModel30を使用していた後輩に連絡を取りました。

データレコーダが不要ならば譲って欲しい旨を伝えたところ、
二つ返事で安価に譲ってもらえることになりました。

こうした努力の甲斐あって、
カセット版のファンタジアンをコンプリートすることができました。

また、X1turboZIIIで動かなかったラストハルマゲドンがX1turboIIIでは問題なく動作し、
これも無事に最後までプレイすることができました。

当時は確認できませんでしたが、
知人からの情報によるとラストハルマゲドンはX1turboZで動作するらしいので、
やはりX1turboZIIIのハードに起因する問題があったのでしょう。
X1turboZ対応というシールが貼られたパッケージを見た覚えもあります。

ヨトゥーンはX1turboZIIでも動きませんので、Zシリーズでは不可だと思います。

こうして、2段重ねのX1turboの横に縦型のX1twinというとんでもない環境が構築されました。
ちなみに、接続インターフェースは、X1turboZIIIがアナログRGB、
X1turboIIIがデジタルRGB、X1twinがコンポジット入力と、
専用ディスプレイテレビのCZ-880Dでなければ実現不可能な環境でした。

< 究極 >

これで必要な環境は整い、全てが満たされたハズでした。
しかし、X1turboZIIがあればX1turboZIIIとX1turboIIIの2台体制の必要は無い、
という考えが頭を離れませんでした。

そんなことを考えていたのですから確信犯的ですが、
秋葉原のソフマップにて中古のX1turboZIIを見つけ、
さんざん迷った挙句に買ってしまったのです。

1991年当時はどこのパソコンショップでもX1用ソフトのスペースが減ってきており、
無くなる前にソフトを買い集めようと、頻繁に秋葉原に通っていたのでした。

ようやくこのコラムのタイトル機種の登場という訳です。

まさに、X1turboZIIは究極のX1で、全てのインターフェースを備え、
最強のハードウェアスペックでした。

また、X1turboZIIの購入を機に、
シャープのサービスセンターで純正のデータレコーダコントロール用キーを注文し、
キーボード上の専用パネルを外してコントロールキーを増設しました。

X1_KeyBoad

巻き戻し、停止、早送りの3個のキーで2800円になりました。

キーボードの基板には既にパターンがプリントされているので、
キーをハンダ付けするだけで、容易に増設可能です。

これにより、かつて使用していたX1turboModel10と同様に、
キーボードからデータレコーダを操作できるようになりました。

この改造キーボードは今も使用していますが、
シフトを押しながらストップボタンを押すとデータレコーダの蓋がパカッと開くのは、
とても高度な制御をしているような気分になります。

その後、まもなくX1turboZIIの2HDドライブが書き込み不良を起こし、
挿入したディスクのシステム領域を次々と破壊し始めました。

ドライブ0に異常があるらしく、ドライブユニットを修理するのも難しいので、
X1turboIIIからドライブを移設することにしました。

このときに、X1turboZIIIのドライブユニットのみ型番の最後にAの文字があり、
他のX1turboIIIやX1turboZII搭載のドライブとは違って、
ディスクが入っていなければレバーが下がらない仕様になっていることが分かりました。

この時点では異常が発生したのはドライブ0だけでしたが、
最終的にはドライブ1も駄目になりましたので、
ソフマップで購入したX1turboZIIはハズレだったということになります。

ちなみに、現在までに所有したX1turboの2HDドライブ(計8台)で、
異常を起こしたのは、このX1turboZIIに搭載されていた2台だけです。


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